Alice in the sky 〜心の病と創作とたわいのない話〜

今後不定期となります。申し訳ありませんがよろしくおねがいします。申請で診断してもらったら否定型精神病とかかれてました。よく変わる。改めて心の病持ちでよろしくお願いします。スマホで書く日が増えるかも。
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「どうなるんだろうね・・・」

 ぽつりと冴子が言葉を落とす。

「なるようになるさ」

 平然と康平が答える。

「康平は自分が変身しないからいいんだよ!!」

 冴子は怒りを含んだ声で康平に言葉を放つ。

「怖かったんだから・・・」

 冴子が必死で涙をこらえる。嗚咽がでそうになる。

「ごめん。冴子。いい加減な答えして。だけど俺冴子のためなら・・・」

そこでロッカーに行きついた。

「やっと帰れた」

 涙を引っ込めて冴子がほっとしたように言う。

「そうだな。早く帰って夕飯だ」

「康平はいつもご飯のことばかりね」

冴子がくすりと笑う。

「そう言って笑ってるほうが冴子らしい。難しいこと考えて眉をひそめているよりも絶対いい。冴子は俺が守るから」

「こ・・・康平? このタイミングの告白はいまいち」

「そっか〜」

 康平はまったく平気なそぶりである。そこがまたいいところだけどね。冴子は思うが決して口にはしない。選ぶならやはり諸星先輩だ。なんせかっこいいし。ご飯ご飯っていいわないし。ただ守るって言ってくれたのは康平なのが気に食わない。

どうせ幼馴染の同情に決まってる。もっとも康平が本気なのを知っているのは諸星ぐらいだろう。というか先程の宣言で伝わったはずだ。当の冴子には全く伝わってなかったが。

 

一転してである。

薄暗い部屋に老人達が数人集まっていた。長く白い髭も闇に染まれば不気味である。

「遂に揃ったか。太陽の娘どもが」

忌々しげ薄暗い部屋に集まった老人達の一人が言った。部屋の中心には冴子が映った水鏡があった。ゆらゆらと水面に映る冴子は美しかった。

「して。今後はどのように・・・」

「潰せ。ラーの世が二度と来ぬように・・・」

一人の大柄な老人が言い放つと周りの老人達は一様に頭を下げた。

「出ていけ。次に来る時は首を持って来るが良い」

老王がイライラと言い放つと他の老人達はずらずらと出ていった。残されたのは老王一人。

「忌々しい」

老王はそう言うと水鏡に拳を突っ込んだ。冴子の顔が消える。

「消えろ。我らがルーの世は唯一無二だ」

やがて老王も部屋を後にした。

 

また一転して冴子達の方である。

冴子達は平和な日々を送っていた。

変なモノは来ないし、諸星先輩はかっこいい。多少痛い視線と康平の諸星へのライバル視以外何も変わらなかった。

ラーと結ぶロッカーには近づきたくはなかった。行けば何か起こる気がして。

この平和な時間がずっと続けばと冴子は願っていた。

しかし、現実は残酷である。

ルーからの刺客が送り混まれていた。

運動部員達が部活を終え、部室で帰り仕度してる間冴子は校門でぼーっとしていた。諸星を待ってるのか康平を待ってるのかわからなくなってきた頃、黒い人影が視界に入った。

 まさかルー?

半信半疑で見つめているとサッカー部の方に向かったように見えた。

危ない!

反射的に冴子は人影を追いかけ始めた。

部室には康平と諸星しかいない。

「どうしたんだい。冴子君。デートの予約なら空いているよ」

 のほほんと諸星は返事したが険しい冴子の気配に気づいた康平は尋ねる。

「どうした? 何があった?」

「人影がこっちに向かって走ってきたんだけど」

 いうやいなや女子高生の悲鳴が聞こえてきた。

「諸星先輩。生徒の誘導をお願いします」

それだけ言うと冴子は部室を飛び出す。あわてて康平が後を追う。

 校庭には人型のよくわからないものがあばれていた。UMAとでも言われそうだが冴子にはわかった。ルーの刺し手であると。人がいないのを確認して冴子は声高らかに言い放つ。

「ファースト・ビューティ・メタモルフォーゼ!!」

華麗なる変身を遂げて冴子は言う。

「水の鳥デネブ参上!!」

依然とは違って堂々と冴子告げる。

決して他人を傷つけるわけにはいかない。使命感だけが冴子を突き動かしていた。力がこみ上げてくるのがわかる。これはルーから来た悪者。容赦はいらない。すぐに間合いをとって必殺技を放った。

「水よ。舞え! スワン・フラッシュ!!」

 水泡が敵を包む。だが人影は消えなかった。

「うそ」

焦りと戸惑いが冴子を襲う。

他に方法は?

頭の中の情報を探っても方策が見えない。と、手首の球が光った。上空から小町の声が降ってくる。

「だめねぇ。あんた。こいつはこうするのよ」

 小町は気合を込めて炎のチェーンを作と人型に絡ませた。

「フェニックス・バーニング!!」

炎のチェーンが爆発する。人型は炎につつまれ屑とかした。

「これだから。素人は」

「小町。一度きり戦っただけの方にそれは言ってはなりませんよ」

ラシーアが小言を落とす。

どうやらラーにいたファミリー一同が来たらしい。ラシッドもいる。さっそく康平にモーションをかけている。

「みんな・・・」

一同の顔をみてへなへなと冴子は座り込む。

「それぐらいでビビッてどうするのよ」

小町が悪態をつこうとするとラシーアが止めに入る。にっこりと冴子に微笑む。

「大丈夫ですわ。ファースト。私たちもしばらくこちらの世界でご厄介になります。よろしくお願いします」

「ってどこの家に泊まるのーーーー!!」

「もちろん私の専用邸宅だ。ラーに戻れない時は使用している。冴子君も来たまえ」

「来たまえって・・・。コホン。実家がありますので」

 やんわりと断ると恐ろしい言葉が降ってきた。

「冴子君。君はデネブとして向こうに知られている。寝首をかかれたくなければ来た方がいい」

「私に選択肢はないということですか?」

「荷物をまとめて早くおいで」

にっこり微笑する諸星には弱い冴子である。うっとつまる。

「俺も行く」

「康平?!」

「冴子が危ないときにおちおちしてられるか」

康平の我慢していた感情が飛び出る。

「もちろん。康平も賓客扱いだ。問題ない」

「じゃ、デネブ。荷物を取りに行きましょう」

ラシーアに穏やかに言われ、諸星に微笑まれると逆らうこともできない。相変わらず小町は生意気だが。ずるずるとラシーアに引っ張られる。

この人数構成で何も起こらない方がおかしい。

(わーん。神様見捨てないでー!!)

久々に冴子は心の中で叫んでいた。

 

 

 

 

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