Alice in the sky 〜躁鬱と創作と時々朱印〜

日月水でやってきましたがなかなか更新できず今後不定期となります。申し訳ありませんがよろしくおねがいします。長年統合失調症と思ってましたが今日躁鬱病と訂正入りました。改めて心の病持ちでよろしくお願いします。
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# SkyBlue 第四章 スカイブルー(お待たせしました。ラストです)

 
「いざ、参ろうか」
太陽神ラーが立ち上がって壁に手をつくと扉が浮かび上がった。扉を押し開ける。
そこは先ほど千秋がいた天だった。だがそこにはわからないものが存在していた。
燃える木。
ただ枝支だけが蒼い炎に包まれていた。
「これが神?」
とまどって千秋がつぶやく。
旧約聖書ばりの木ってあるんだとなんとなくデジャヴに陥りながら千秋は思う。
「何ゆえともにおる。お前たちはともにいることを禁じた。私に刃向かう気か」
ってけんか売ってんのあんたじゃあにのと思いながら千秋はペンダントトップを見せた。
「この二神の子孫にして正当な後継者なり。二人は子を産み親となった。娘と息子ではなくなった。今すぐ天の支配からしりぞきなさい!」
千秋が古代語で宣言すると神はひるんだ。だがまた神は言う。
「後継者だと笑わせるな。小娘に用はない。ラーとルー。今すぐ離れ二度と会うことを禁ず」
「いいえ。父よ。私はルーと黄泉の国に下る。一人の女性を幸せにできず何故幾多の人々を幸せにできましょうか」
「理屈はいい。この世は闇に包まれる。人々は恐れおののきお前を望むだろう。その声を無視するのか?」
父神の言葉にラーははいと答える。
「私はルーと天に昇れるまで黄泉の国に下ります」
あくまでも自論を譲らないラーに千秋と万里に矛先が向けられた。
「こしゃくな。その娘と男にだまされたのだろう。この世はお前を欲している。そしてルーお前は私を退けるのか?」
ルーの顔が苦痛でゆがむ。頭に着けたサークレットが頭を締め付けてるとわかったのはラーの腕の中で気を失って倒れるときだった。
「いいかげんにしなさいよ。このエロおやじ」
千秋は月のしずくを胸元からちぎるとそれを投げつけた。
ものすごい光が辺りを支配する。なかなか消えない。ようやく目を開けるとそこには白髪の老人がいた。
「なんということだ。新たな契約の時が来たのか。私にはもうなんの力もない。ルーとラーで世界を回せ。その前に小娘、この仕業に対する罪を贈る。苦しむがいい。一生のた打ち回ればよい」
老人が杖をかかげると同時に万里が千秋の前に立ちふさがった。ばしっと何かが当たる音がした。
自分にはなんの変化もない。その代わり万里がずるずると床にくずおちた。
「なにするのよ。へたれおやじ!」
罵倒してから万里の様子を見ると額のあたりに月のしずくが埋め込まれていた。しゅうと煙があがる。
「柳! 柳!」
千秋は肩をゆするが万里は気を失ったままだった。
「千秋。私が見よう」
いつしか老人は消えていた。
「じじぃは?」
「消えた。新たな天の契約が始まり旧い契約は失効したのじゃ。今投げつけたのが最後の力じゃった」
いつしか気を戻したルーが説明する。
「太陽と月の忌まわしい呪いがかけられている。それを解けるのは千秋しかいないようだ」
しばらくラーが万里の状態を見ていたが困りながら言う。
「じゃが、千秋がするにも負担が多すぎる」
ルーが千秋の肩に手を置く。
「もうっ。どういう事よ」
イライラしながら千秋は言葉をぶつける。
「真の愛だけが月のしずくの呪いを解くことができる。だがおぬしらは先ほど思いを確かめ合っただけじゃ。それだけでは足りぬ。深い愛が必要じゃ」
沈み込んだ声でルーが説明する。
「というと?」
「つまりはチアキ様がヤナギ様の妻となり子を成すほど愛していれば解けるということです」
カルマが説明し千秋は絶句した。初恋めいた思いを確かめ合っただけで急にお見合い結婚まで飛んでいくとは。戦時中もいいところだ。もっともこの世界では世界の戦いに巻き込まれているが・・・。
「そんな・・・。柳のことをどう思っているかまで深くわかってないのに。でも死なれるのもいや。柳との思い出まだ一つもない。積み重ねていきたいのに」
 千秋の瞳からぽろぽろ涙が落ちるその一滴一滴がキラキラひかる。いつしか千秋はその手に涙の結晶を持っていた。
「これはなに?」
涙を拭きながら千秋は二人の神に尋ねる。
「新しい月のしずくじゃ。これでこの子を助けられる。結晶をかざすとよい」
かざすと古い月のしずくがぼろぼろと崩れていく。いつしか万里の額はきれいになっていた。
「ううん・・・」
 万里がうなって瞼を開ける。
「いいんちょー。すきだよー」
 万里が千秋の首にまた腕をからまそうとする。その手をびしっと叩いて千秋ははねのける。
「その手には乗らないわよ」
「ちっ。ばれたか」
 そういう二人の顔は輝いていた。愛だ恋だと騒ぐ前にこうしてじゃれあっている時間が二人には必要だった。ルーがじゃれあっている二人に微笑む。
「新しい月のしずくをさずけよう。我々は月のしずくは不要じゃ。もう道は違えまい」
そういうとラーもうなずく。
「これからは二人で天に上る。昼と夜をつかさどり人々を見守る。これはそなたの涙の結晶。もっているがいい」
その言葉に千秋は首を振る。
「いらないわよ。柳と結婚する羽目になったらいやだもの」
「け・・・けっこん?」
 万里が目を丸くしている。
「そうよ。あんたのおかげで一生が決まったようなもんだからね。私の涙を返してよ」
「といわれても気づいたらあるわけだし。液体に戻す方法がわからないよ」
方向の違う答えに千秋はあきれる。
「そういう問題じゃない! じゃカルマに上げる」
「え? 私ですか」
急に振られてカルマはあわてる。
「そうよ。ミヤコが好きなんでしょ? 迎えに行きなさいよ。水鏡で覗いでないで」
「迎えに行く予定ですが・・・。神々のものを持っても・・・」
「もらいなさい。カルマ。月の神官にして新たな太陽の神官よ。新たな契約の生き証人としてこれを預ける」
「ルー様。ラー様・・・」
「そなたが国を一つにするのじゃ。ここで起きたことを伝えよ。太陽と月の世は常にあると。恐れおののく必要はもうないと。新しい世が来たことを伝えよ」
「そんな大役私には・・・」
すでにおののいてるカルマにいたずらっぽい表情でルーは言う。
「そうか。じゃが妾の神殿は無人になる。ミヤコという女性とともに住みこのことを伝えるのは可能じゃろう?」
そう。すべてはカルマが都を迎えに行く口実に付け加えた使命。大きくともなくてもいいのだ。
「それはそうですが・・・」
悩んでいるカルマに千秋はバシッと月のしずくを押し付ける。
「チ・・・チアキ様」
 あの沈静冷着なカルマが戸惑っているのが面白くて千秋は笑う。その端からまた涙腺が緩む。泣きながら笑う千秋に万里が肩をぽんぽんとたたいて落ち着かせようとする。そしてハンカチを差し出すと千秋は気がふれたのかというほど大笑いした。
「柳。そんな気の利いたもの今頃ででくるのね。いつから持ってるの?」
と言いながら顔をハンカチにうずめる。緊張が一気に解けてへたりこんでるのだ。今まで強気だった千秋だがさすがに今回の騒ぎは刺激が強かったのだろう。
「カルマ。絶対にミヤコを幸せにするのよ」
「わかってます。絶対に約束します」
真剣にカルマが答えてやっと千秋が正常に戻る。
「制服燃えてないかしら?
試練が終われば帰るということをようやく思い出した千秋と万里である。
「大丈夫だ。今宵は月の大神殿で休むがいい。急にあれこれしても疲れるだけだ」
「そうね」
ラーの言葉に千秋はうなずく。
「カルマ。おなかすいた。疲れたしゆっくりさせて・・・」
千秋がわがままの無茶ぶりを振るとカルマはゆっくり微笑んだ。
「では月の大神殿に帰りましょうか」
ラーがまた扉を作る。
開ければそこは大神殿の大広間だった。そこにはごちそうが所狭しと並んでいた。
万里がいただきますというや否や肉にかぶりつく。
あれが未来の夫になるの?
くらくらしそうになって額を押させる千秋にカルマが紙を見せた。
「我々の感謝の少しばかりのしるしだ。ありがとう」
古代語でそう一枚だけの紙に書かれていた。
「こちらこそ。いい勉強になったわ」
天に向かってそうつぶやいた千秋であった。
 
数日後元の月の神殿にカルマの転送魔術で戻ると被害はたいしたことがなかったことが判明した。最初から転送でこれるならきたらよかったという千秋に歩くのが使命のひとつなのですとさらりと言われがっくりきた千秋であった。そしてまた数日後あのじりじりとして暑い砂漠に千秋と万里はいた。
万里は最初と変わらず暑いと大騒ぎしていた。
「うるさいから早くして頂戴」
額を押さえて千秋は言う。
ほんとにこれでいいのかしら。あのまま月のしずくで呪いを解かないほうがよかったのじゃ・・・。悪魔のささやきが聞こえてくる。
「お世話になりました。チアキ様、ヤナギ様」
「こちらもね。くれぐれも月のしずく乱暴にするんじゃないわよ」
自分の涙の結晶の扱いに念を押してうなずく千秋である。
「わってます」
カルマと数人の神官の魔術の詠唱がはじまる。
まわりが蜃気楼のように揺らめいてくる。
最後に見上げた空は澄み切った青空だった。青空を見れば思い出すだろう。遠い世界の切ない恋物語とちょっとした冒険を・・・。
 
スカイブルー完
 
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アニメキャラと自分の夢の分身を恋愛させた禁断の二次。こっそり復活中。私を知ってる人は混乱必須。なんとなーくリンクを張る。リニューアル。アドレス変わりました。
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本家本元創作空間空色の・・・。 ここで紹介した話がいろいろ載っているページです。このたびコラボページをリニューアルしました。勘違いもでるかもしれませが楽しんで読んでいただければ幸いです。
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